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X線観測装置の開発development

X線観測装置の開発について

X線天体観測用の装置開発も研究室の活動の柱です。X線検出装置は、レントゲン撮影、X線CT、機械検査など地上でも広く利用されています。しかし、天体からのX線ははるかに強度が弱いため、広いエネルギー範囲のX線に対して感度の高い検出装置が必要です。また、気球、人工衛星、国際宇宙ステーションなどに搭載して観測するため、過酷な宇宙環境で信頼性高く動作することも必要とされます。このため、基礎開発から実際の観測まで10年を超える期間がかかることもあります。

現在(2013年初頭)、軌道上で観測を続けている大型のX線天文衛星には、日本のすざく、アメリカのChandra、ヨーロッパのXMM-Newtonがあります。これらすべてが、X線反射望遠鏡とX線CCDカメラの組み合わせでX線天体の観測をしています。この形態は、1993年打ち上げの日本のX線天文衛星あすかで、はじめて実現され、宇宙プラズマの元素毎の空間分布やブラックホール近傍での強い重力場の測定などを可能にしました。あすか衛星に搭載されたX線CCDカメラは、常深研が日米の複数の期間と共同で開発したものです。現在運用中のすざく衛星搭載のX線CCDカメラ(XIS)も、同じく日米共同で開発したもので、常深研の実験室で較正実験したカメラそのものが、今まさに宇宙で働いています。現在、2015年度うちあげをめざしたASTRO-H衛星搭載のX線CCDカメラ(SXI)の開発を中心になって行なっています。

ASTRO-H衛星は、X線CCDカメラ以外に、マイクロカロリメータという検出器を搭載し従来より数十分の1の分解能でX線のエネルギースペクトルを取得することが可能となります。これによって、宇宙空間での高温ガス中の元素ごとの運動を100km/sの精度で測定することができるなど、X線天文学に新たな革命を起こすことが期待されています。
打ち上げを直前に控え、ASTRO-H衛星に搭載するX線CCDカメラ(SXIフライトモデル)の製作が最終段階で、これから様々な試験が予定されています。常深研のスタッフ及び大学院生はその中心を担っています。

衛星搭載装置の開発には長い時間がかかるため、さらに将来を見据えた開発も平行して実施しています。常深研では、小型の衛星を使ってX線観測を行うプロジェクトを2つ検討しています。ひとつは、X線望遠鏡とX線CCDカメラを別々の衛星にのせて観測しようというFFAST計画です。X線CCDにはシンチレータを塗布して高いエネルギーまでカバーし、深く埋もれた超巨大ブラックホールを探そうという計画です。もうひとつは、X線偏光観測というこれまでとは別の次元の情報から、X線天体の構造を解剖しようという計画でPolariSと読んでいます。こちらは、X線CCDではなく偏光観測に特化した検出器を開発しています。両プロジェクトとも検出器以外に専用ICやデータ処理など様々な技術が必要で、ASTRO-H衛星の開発の経験を最大限にいかしながら早期実現をねらっています。

各プロジェクトの詳細に関しては、現在編集中です。旧ホームページも参照ください。

大阪大学X線天文グループ

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