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銀河団clusters of galaxies

銀河団について

 恒星の集団が星団をつくるように、宇宙には数10個から数100個の銀河が集中した銀河団とよばれる構造があります。銀河の間の空間には何もないように見えます。しかし、X線で全天を観測した結果銀河団が明るいX線源であり、そのX線放射の起源はが、銀河間の空間にみちた数千万度の高温ガスであることがわかりました。ブラックホール、中性子星の発見とともに、X線天文学の最大の成果です。

可視光でみたへびつかい座銀河団

中心にある巨大銀河と、多くの銀河が集中している様子がわかります。(提供CXO/NASA)

X線でみたへびつかい座銀河団

銀河間の空間をみたすようにX線放射がみられます。数千万度の希薄なプラズマからの放射です。(提供CXO/NASA)

銀河団のX線観測

 銀河団のX線放射は、その発見自体驚きだったわけですが、宇宙の構造と進化を探る上で重要な意味をもっています。ひとつは、暗黒物質の問題です。数千万度の高温ガスが安定に存在するためには、ガスの圧力に対抗して銀河団の中に閉じ込める力が必要です。考えられるのは、銀河団を構成する銀河の重力ですが、計算してみると1-2桁も不足していることがわかります。X線を出している高温ガスは、銀河の質量の総和より多いのですが、まだ一桁近く不足します。それを説明するのが、暗黒物質です。暗黒物質の分布を測定する最も有効な方法の一つが、X線観測でガスの圧力を測定することです。
 暗黒物質の正体はいまだ不明ですが、銀河団は宇宙最大の重力束縛系で、銀河団の進化を探ることは宇宙に存在する様々なスケールの構造進化を理解する上でも重要です。銀河団中の高温ガスには、太陽組成のおよそ1/3程度の量の重元素が含まれています。これは、宇宙初期にできたガスと銀河から吹き出したガスが両方寄与していることを意味しています。従って、銀河団の中での重元素の分布を調べることは、銀河の進化を知ることにもつながります。
 銀河団自体は、衝突合体を繰り返して成長してきたと考えています。その兆候をもっとも直接的に観測するのが、高温ガスから放射されるX線スペクトルを使ったドップラー測定です。我々は、世界ではじめて速度の測定に成功しました。

A399-A401銀河団間の空間からの鉄の検出

 我々から10億光年の距離の二つの銀河団A399, A401の間の空間を観測し、 鉄の蛍光X線を検出=銀河の密度が低い領域でも重元素が存在することを証明しました。

A399-A401のすざく衛星による観測

A(エイベル)401の中心から約500万光年離れた位置をすざく衛星で観測しました。
  

すざく衛星で得たX線スペクトル

6-7キロ電子ボルトにみられる輝線は、電離した鉄イオンからのX線です。

A2256銀河団における高温プラズマ運動速度の測定

 準備中

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